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図書館、資料館に書き溜めてきた日記やSS(小説)を保管するところ。
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《11.23 錬金都市「イルクセル」における地下施設調査報告書》

 11月23日昼間、錬金都市「イルクセル」西の倉庫街の一画・鉄板によって固められたような四角い小屋――マーシレスおよびレッドポイントと関連があるとされている地下施設を、クエストギルドおよび自警団の依頼により召集した調査隊と共に任務遂行。
 梯子側とダストシュート側、入り口が二つあった為、当日は隊の中で二手に別れて調査。
 幾つか交戦もあり、各々が負傷してしまったが、調査隊全員欠ける事なく、帰還する事が出来た。
 自分はダストシュート側から入った為、本報告書はダストシュート組側からの調査結果である。

構成メンバー
 梯子組:コール、モラ、アイニィ、ラファティ
 ダストシュート組:ギルバート、セシリア、サリア


――――――


■地下施設について

・全体の構造
取っ手のある鉄製の扉から潜入。ダストシュートは一人ずつ行かねばならないくらいには幅は狭く、急斜面で長く続いていた。降りた足元には大量の缶詰が転がっていて山のようになっている。(梯子側はバルブのついた扉。入り口から見下ろした内部は、魔法で貫かれたような痕跡が幾つもあり、損傷が激しかったのが窺えた。煙突にも穴が無数存在した。)
夜目が利かぬ場合灯りが必要なくらいには、内部は暗い。

一番最初に入ったセシリアによると、ダストシュートを降りて到達した直後、無数の気配らしきものを感じたという。すぐに消えたらしいが、詳細は不明。

ダストシュートの左から続く通路から、[Azalos-E2]の先、(前回調査を行ったコールがオレンジ目のレッドポイントと遭遇した場所)再度の突きあたりから左に折れる。
そこからも5つ牢(E3)が続き、中央にダストシュート。更に挟んで奥にも、牢屋(E4)、そしてもう一回左へ曲がる角が存在している。この通路の奥で「レルベン」と遭遇。
そうして左へ角を曲がったところで「リゼナン」がいたのを目撃。E5、再度ダストシュートを挟むE6の牢達の奥、道はなく行き止まり。

結果、コの字を描く回廊のような構造をしている事が判明。
梯子側から向かった者の報告によると、下層へ続くとされている扉には強い風が吹き抜けており、それ以上の探索は困難となった模様。
自分達が入ったところ以外にもダストシュートはあったが、どこへ繋がっているのかは不明。

・新たに判明した牢屋と名称
※順番に記す。
※戦闘中に施設内が損傷したり又乱戦の中において、全てを確認する事は叶わず。判明した牢の名前のみ列挙。

【[Azalos-E2]より先の通路に並んでいた4つの牢屋】
→[Izinas-E2」
→[Uzubis-E2」
→[Ezihas-E2]
→[Ozokus-E2]

内部は酷く損傷していたが、それ以外の特徴は見当たらず。

【突き当たりを曲がって、左に折れた先の通路】
→[Abinas-E3]
→[Ibulos-E3]
以降は今回の戦闘で損傷した為、未確認。

【更に通路を左に折れた先の通路】
(E5、ダストシュートを超えて、一つ目に位置。)
→[Ailes-E6]
 周辺には羽根が無数散らばっていた。
 床にプレートがあり、その下には強風が吹き抜ける四角い縦穴。梯子組が探索を試みていた、[Aleos-E1]の牢にあった下層へ続くと思われた扉と同型と聞く。アイレスとリゼナンがそこから逃走していった事から、外に繋がっているものと思われる。

牢は全て、通路の左手側に存在し、コの字を描きながら、E1→E2→E3→E4→E5→E6と続いている様子。


――――――


■遭遇したレッドポイントについて

・レルベン
オレンジ目。
身体能力から見ても種族は獣人。大型のナイフらしきものと銃を幾つか所持。(→検死によって、正式にはマチェットとカスタムフリントロックである事が判明した。)
吼えるのみで、意思の疎通は図れず。セシリアが止めを刺し、討伐。
遭遇した最初、白犬の人形を手にしていた。→コールが前回助けた女の子が落としてしまったものとされる。
検死結果については後述。

・リゼナン
オレンジ目。
通路で目撃した最初、膝を付いており消耗しているようにも見えた。
紅い宝玉がついた杖を所持。紅い光の魔法が飛んできた方角にいた為、リゼナンが魔法を使用?
アイレスと共に逃走。

・アイレス
赤目。
翼と鳥の足を持った鳥獣人。通路を突っ切ろうと自身の上を通った時に槍を向けたところ、片足を切断出来た模様。
リゼナンと共に逃走。

・(マーシレス)
現地には姿を現さず、ノイズ混じりの声のみがアイレスの方より聞こえた事から、アイレスが何らかの音声を届ける物を持っていたと思われる(伝え石?)。
レルベンの正式な種族(犬種)や元々所属していた傭兵団の事を予め知っていた。
<マーシレスの残した発言(要約)>
「武器が二つ欲しかった」
「アイレスはエゼルケイノスの回廊六番型。ここの最後のシリーズでもある」
「変なものに気を取られた為に、レルベンが女の子(コールが単身調査時に助けだす時より以前の)を殺す事ができなかった。エラーが起こってしまった」
「E6はそんなに強くない。だから羅行の生き残りを連れてこようと思った」

【確認した魔法】(リゼナンが使用?)
・通路の奥から自分達(ダストシュート組)の上を通過して、梯子側のメンバーの方へ向かっていった紅い光。
・レルベンが何か呟いた後、周辺に黒い目玉らしきものが現れた。紅い瞳孔を持っていたが、観察する余裕もなかった為具体的にどんなものだったのかは不明のまま。
・セシリアともつれ合っていたレルベンへサリアの光線が向かった瞬間、レルベンとセシリアの真正面に無数の槍が具現化され、それを盾のようににして防いだ。


――――――


■レルベンの検死結果

※イルクセル現地の警備組織に提出・依頼して、調査をして貰った結果を要約して記す。
(検死結果の詳細・写し、所持品は自警団詰め所本部に提出済。)

本名:ファルベルグ=クルツ=フォルシュテハーリガー
種族:純血のフラッグポインター獣人(ドッグフラッグを出身地とする猟犬種)
年齢:50歳
所属:「傭兵師団ガノン・シュナウト」
   23年前に個用先の激戦区の戦闘によって壊滅したとされている。
   ファルベルグはその中における高額傭兵。
体格:身長2mの大柄

容姿:
茶色と白斑の短く硬い体毛。垂れ耳。毛並みの整わぬ尾。
身体の所々に真紅の毛染め、治癒した痕跡のある銃創および裂傷が多々。
右太腿側面の一部には体毛がなく、代わりに横向きの鎖の巻かれた犬が剣を噛む刺青(ガノン・シュナウトのものであるとされている)が刻まれている。
黒頭巾の中には大型の杭。頭部の伝え石には[RE-K3/RU-K3]と記された文字。
蒼眼。右目には段階式拡大レンズ。古い暗視魔術が施されている様子。
ボロ布を身に纏う。

武器:マチェット。カスタムフリントロック×6丁。
所持品:
白犬の人形
 →地下施設での戦闘によって破損している。ドッグフラッグにて販売されているメジャーな土産商品。発売されてからそこまで時間は経っていない模様。
伝え石
 →魔力を充填しての通信を試みた結果、雑音のみが聞こえた様子。その他の音も聞こえたらしいが、位置特定は困難だった。前回コールが回収した伝え石も[RU-K3/RE-K3]という文字があったと報告にて聞いており、それと文字が非常に類似しているのが解る。
((PL情報:伝え石には未だ魔力が残されているらしく、[RU-K3/RE-K3]の伝え石に繋がる様子))


――――――


■その他

・梯子側から入った隊は、最初の牢がある通路で二匹のゴブリンと遭遇、交戦したと報告を聞いている。脱出直前に遠目ながら遺体を確認したものの、別働隊の自分では把握しかねる部分が多くある故、詳細は彼らからの報告を待て。
・アズライトからの報告で賞金首ルイン・ハッチリングの出現の可能性も存在していたが、当日は遭遇せず。
・セシリアがレルベンと間近で交戦した印象としては、彼には人間くさい仕草も窺えて、もしかしたら元の人にも戻せたのではないか、とのような事を言っていた。


――――――


 自分自身が覚えている範囲、他者から得た情報の事柄を挙げていったが、調査の最中での交戦・乱戦だったのもあり、記憶違いを起こしている可能性がなきにしもあらず、また全てを確認および把握しきれていない事もご了承頂きたい。
 後日行われる報告会にて他の調査隊メンバーの報告も参考にすると共に、梯子組の状況あるいは判明した情報の拾得も出来ればと思う。

 自分は、今後も街中および必要とあれば他街で、マーシレスの捜査に当たっていく方針である。

 以上。


   11月29日
   自警団第六捜査隊一班班員・Gilbert Sylvester


--------------------------


(もう一枚、イルクセル警備組織によって作成された検死結果の書類の写し。)(※マーシレスPL様より許可済み。)


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判明する情報
--------------------

検死結果を以下に記す。

検死体外見:大柄、全長2m、短く硬い茶色と白斑の体毛、毛並みが整っていない尾、垂れ耳、蒼い目。所々に真紅の毛染め。多くの癒えた跡のある銃創、裂傷痕。黒頭巾の中には大型の杭、頭部の伝え石には[RE-K3/RU-K3]の文字、右眼には古い暗視魔術の施された段階式拡大レンズ。ボロ布を身に纏う。右太腿側面の一部は体毛が無く、横向きの鎖の巻かれた犬が剣を噛む刺青が彫られている。

詳細調査:猟犬種、ドッグフラッグを出身地とする純血のフラッグポインター種。刺青を確認した所、23年前に雇用先の激戦区における戦闘にて壊滅したとされる傭兵師団ガノン・シュナウトのものである事が判明。人物像、容姿、特徴を当て嵌めた所、その中の上位に位置する高額傭兵「ファルベルグ=クルツ=フォルシュテハーリガー」、40歳が該当。現50歳。所有する武器もマチェット、カスタムフリントロック六丁との一致が確認されている。

人形はドッグフラッグにて売られているメジャーなお土産であり、売られてからそう時間は経っていないものと見られる。これといった手掛かりは見当たらなかった。

伝え石へ魔力を充填、通信を試した所、雑音のみが聞こえる。また、その他の音も聞こえるようであるが、位置特定は困難であった。


(伝え石と人形は資料と共に郵送されるだろう。伝え石には魔力が残されているが、何処かに繋がっているような、繋がっていないような……。)
【もし[RU-K3/RE-K3]を持っている者が居るなら繋がる様子である】

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