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図書館、資料館に書き溜めてきた日記やSS(小説)を保管するところ。
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走って、走って、人目の集まるワイバーンタクシーの発着所の様子に耐えきれなくなって逃げた先――。
 段々喧騒が聞こえなくなってきて、段々静かな波音だけがこの耳に届くようになってきた。きっとここは街の外れ。
 胸が痛い。痛い。苦しい。そういえば怪我していたんだった。まだ治っていないんだった。
 痛い。徐々に息がしづらくなってきて、今にも呼吸が止まってしまいそうな気持ちの悪い心地で、
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「――これを囚人ルシファーのとこに差し入れてくれないか? あァ、そう、真っ白な翼が生えたヤツな」
街のとある一画。清掃員の服装として、エプロンを纏い、角を避けてすっぽり収まるように頭に巻いた三角巾姿の、アルバイト中の黒竜がいた。
 ――その下はこの後すぐに自警団詰め所へ出勤出来るように、いつも制服のアンダーに着込んでいるシャツとズボン、ロングブーツの格好ではあるが。
 あともう少しで副業の清掃業務が全て完了する。
 日も昇り、辺りもすっかり白んで空も青くなり、今日も今日とてジリジリとした真夏の光が差し込んでくるといった、そんな頃に――
(2014.02.15 儀式場跡地の後日談集番外編、10日間寝込んでいた時期に見た夢の一部とその前後の独白。暗いです。書き溜めていたらしいテキストファイルをフォルダから発掘したので掲載。)


感情も衝動も抑えきれなかった。
……否、途中からはそれに任せていたと言っても、良い。抑える気すら、失せていた。
その結果が、コレ。

手も身体も真っ赤になった。

血も涙もなく、
酷いひと、

そっくり、そのまま、返されて、
(2014.02.15 儀式場跡地にて。直後寝込んだ時期に受け取った私書などを元にした、後日談集その3。)

 あの夜からもう一週間経つ――なんて、そんな感覚すら存在していなかった。
 ただ眠る。眠り続けるだけ。
 たまに浮上する意識、ふとテーブルの上に粥の入った鍋と水分補給に適したスポーツ用の飲料が置かれているのが見える。
 その時は決まって、同居中の彼はそこに居なかったり部屋の奥の方に居るらしい物音が聞こえたり、
 ……仮に起きている姿を見せたところで、自分は何も言える気がしない。言葉が、見つからない。
 だから、目が覚めた僅かな時間で食事を摂ったら、すぐにまた意識を落としてしまう。まるで逃げるように――そんな日々ばかり。
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