図書館、資料館に書き溜めてきた日記やSS(小説)を保管するところ。
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その濁った黒い飴は、しょっぱかった。一体何度涙が染み込んだのかと言うぐらいに、最早辛いぐらいにしょっぱかった。
けれど、これは辛い物好きの自分にも耐えられないくらいだった。
痛いくらいのその味。そう、痛いんだ。痛い。
口の中どころか全身にその痛みが走るようで。
同時に流れこんでくる記憶は――――13年間。その最後で、真っ赤に染まって冷たくなって寒くなって。それが再び蘇って焼き付けてきて。
膝の力が抜けて、気持ち悪くてこわくて痛くて辛くて苦しくて苦しくて、涙がボロボロと零れて溢れて流れた。
息が出来なくなる。慌てて酸素を取り込もうとして咳き込む。
今もお菓子の国の現実ではゲームが繰り広げられている。取り戻さなければいけないのは自分の記憶だけではない。
必死に切り替えようとしながらも、また記憶は最初からループする。その飴が溶けきるまで、繰り返される。
段々と、ゆっくり――…… 何故だか、味も、徐々に甘味が混ざってきて――……
けれど、これは辛い物好きの自分にも耐えられないくらいだった。
痛いくらいのその味。そう、痛いんだ。痛い。
口の中どころか全身にその痛みが走るようで。
同時に流れこんでくる記憶は――――13年間。その最後で、真っ赤に染まって冷たくなって寒くなって。それが再び蘇って焼き付けてきて。
膝の力が抜けて、気持ち悪くてこわくて痛くて辛くて苦しくて苦しくて、涙がボロボロと零れて溢れて流れた。
息が出来なくなる。慌てて酸素を取り込もうとして咳き込む。
今もお菓子の国の現実ではゲームが繰り広げられている。取り戻さなければいけないのは自分の記憶だけではない。
必死に切り替えようとしながらも、また記憶は最初からループする。その飴が溶けきるまで、繰り返される。
段々と、ゆっくり――…… 何故だか、味も、徐々に甘味が混ざってきて――……
笑ってた。
そうだ、自分と「あの子」が出会った頃は……笑ってたんだ。良く。
良く、一緒に笑っていた。
自分はずっと「黒」が嫌いで恐かった。「黒」が自分を痛みつけて苦しめていたから。
でも彼女は「黒」を「格好良い」と「綺麗」だと、「同じ目の色だね」と「黒」以外の色も見てくれた。
嬉しかった。サラサラの銀色の髪、優しげな緑の瞳、無邪気な笑顔が眩しくて。そんな笑顔が……昔は好きだった。
一緒に遊んだりもしてたんだ。誰もいないところで、二人っきりで夕方まで遊んでた頃が懐かしい。
幸せだった。
最終的には笑えなくなった。
その笑顔の記憶は、全て赤く冷たい「死」の記憶に塗り替えられた。
けれど――――、
「彼」が言ったように。
そうだ。いつまでも、悲しい記憶ばかりを思い出されていては可哀想だ。
きっと、「君」も嫌だよね?
笑ってたところを、やっと思い出せたよ。7年も経って、漸くおれは思い出せたよ。 。
ごめんね。
ずっと忘れてたよ。
……思い出せた。
大切な、初恋の想い出。
それがあったから、自分は人を憎んだし嫌ったし触れるのが恐かったし、自分は髪を染めた。
それがあったから、自分は翼を切り落としたし、自分は「彼」に惹かれた。
それがあったから、恐がりで泣いてばかりだったし、冷たい肌がこわかった。
……それがあったから、「今の自分」がいるんだ。
今の自分を作った、過去だ。楽しくても辛くても、全てをひっくるめて、大切な記憶。
そう思えば、不思議とこわくない気がした。
二週間、ずっと忘れてしまっていたけれど。
その空白が、大切さを教えてくれた。
確かに……
ある意味「彼女達」に感謝かな?
初めて、自分の過去に、笑えたから。
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