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図書館、資料館に書き溜めてきた日記やSS(小説)を保管するところ。
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(2014.02.15 儀式場跡地にて。直後寝込んだ時期に受け取った私書などを元にした、後日談集その3。)

 あの夜からもう一週間経つ――なんて、そんな感覚すら存在していなかった。
 ただ眠る。眠り続けるだけ。
 たまに浮上する意識、ふとテーブルの上に粥の入った鍋と水分補給に適したスポーツ用の飲料が置かれているのが見える。
 その時は決まって、同居中の彼はそこに居なかったり部屋の奥の方に居るらしい物音が聞こえたり、
 ……仮に起きている姿を見せたところで、自分は何も言える気がしない。言葉が、見つからない。
 だから、目が覚めた僅かな時間で食事を摂ったら、すぐにまた意識を落としてしまう。まるで逃げるように――そんな日々ばかり。


 意識が戻ったその時に部屋に届いた封筒。ふらふらとベッドに倒れ込みながら、開いてみる。
 ……最早、頭から抜けそうにもなっていた『自警団』。
 嗚呼、そうだ、自分は……『自警団員』だった。
 そんな事まで、忘れてしまう?

「……、」

 ただただ、思ったのは、……合わせる顔が今はどこにも無い、という事。
 答えも見つからぬまま、何を話せば良いのだろう。黒いモノの吐き出しだけで、終わってはしまわないだろうか。
 …………そして、寝ている場合ではない、と言う事も、思い出される、けれど。


 ――更に、もう一通来た。
 見覚えのある色のマジカルレター。誰から、とそれで察せないくらいには、未だ頭が回らない。
 開いてみて、ようやく判る。封筒の方は一度、枕の脇に置いてから。

 広がる仄かな香りを感じて、微かに動いた表情は、和らぎの。
 けれども、それも束の間に過ぎず、

「――……」

 戸惑った。

「……――――」

 表情がどんどんと沈み込んで、

「…………っ、」

 くしゃり。

 手に弱々しくも力が籠もり、紙面に皺が寄せられる。肩が震える。首を横に振りたくなった。寝たままでは叶わないけれど。
 様々な事へ対する否定。
 零れ出る表情を隠すように布団へ潜り込んだ。

 その中で――読み終えたマジカルレターだけが綺麗に燃えて、消えてゆく。
 手に持っていた感覚も同時、忽ちのうちに消滅する。けれどもそれに意識を向ける余裕も、もう、なくて。
 頬に一筋、伝って流れて、

『――――』

 夢の中へ、落ちてゆく。


 ……その中で垣間見えた、足元に存在するあの一本道は、ひどく、霞んでいて、今にも消えそうだった。



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