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図書館、資料館に書き溜めてきた日記やSS(小説)を保管するところ。
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... 03/01 , 04/27
渡された紙片には決して軽くはない罪の告白。あいつ曰く「約束」。
自分に救える「命」と「幸せ」。
あれから幸せって何だろうと、考えていた。後になって、幸せにしてはいけないのではとも、思った。
罪人の幸せを願う自警なんて、変な話だから。あってはならないと、思ってしまうから。
そう、いつもの「自警として」という曖昧なルールに囚われて。
一体どうすべきか、幸か不幸かあの時のオレはまだ休暇中でただの「個人」だったから、考える時間はあった。
いつか本人にもそれとなく話を振ってみようかとも思ってた。

けど、その必要もなく、あいつは自らやってきてくれた。
ただ、その後の行動に、彼女の反応に、驚くしかなくて。思わず首を突っ込んだ。
あんな事させたくてあんな事言わせたくて出頭を受け入れたんじゃない、ふざけるなと。
…でも、早とちりな感じだった気がする。最後まで続いたその対話で、ちゃんと彼女は落ち着いた。
刑にも影響は出なかったらしくて、そこにも安心した。
幸せだって人それぞれ。オレの考えてた幸せっていうのは、きっと多くの一般市民が思うような平和で愛ある幸せ。
「自警」のオレが罪人にそんな幸せは願えない。
けれども、……「罪と向き合える事」――「償える事」こそが幸せだと言うならば。オレは応援出来る。「自警」からしても望ましい話じゃないか。
結局、50年、背負う事になるのかな。それでもいい。オレも果たさなきゃならない責任だから。
……自警を辞められない理由も、また一つ増えた。それでいい。



... 03/16 , 03/22 , 04/01
ヤドリ樹でお菓子を供えたその人にとってあいつが「大切な人」だと知った時、
どうしようもなく、感情が沸き上がった。
オレはあいつの墓の場所を知ろうともしなかった。
この魂宿る樹の前であいつを弔おうともしなかった。
たった二度の邂逅でも…たった一度の会話でも彼女にとっては意味があり、大切な時間だった。
だから、 だから、
初めて、「後悔」した。だけど、それでもまだ許せなかった。怒りも憎しみもあった。
オレは「死ねばいい」と思ってしまっていた。どっちの感情も両方あってどうしようもなくて、
ただただ無性に涙が、止まらなかった。うわごとのように「ごめんなさい」しか、言えなかった。
どんなに謝ったって……取り返しは、つかないのに。

そこに悪意はなかったの、だと。純粋に力を与えようとしただけなのだと。
ああ、やっぱり話をするべきだったんだ。そうすれば、こんな誤解の殺意も憎悪もなかったのに。こんなのって。
もっと、後悔した。

あの世界で見た温かさはあいつにとっての「事実」で。オレにとっては、違う、と。
温かい嘘かもしれない。残酷な真実かもしれない。それでも……知らなければならないと思う。
たとえ残酷だったとしても、憎む事の、ないように、しないと。
どんな人にも、大切な人はいる。一度の会話でさえも大切に感じる人もいる。
相手が極悪人だろうが重犯罪者だろうが、大切に想う人はいる。そうなんだ、その通りなんだ。
大切な人を失う悲しさ苦しさ辛さ恐さ、オレが良く知ってる事。他の人も同様なんだ。これをちゃんと覚えてれば、殺す事をきっと思い留まれる。
話せて、よかった。本人とも、話したかった、け、ど。
またいつかあいつにも話さなきゃ。記憶の事も聞かなきゃ。故郷にだって、行ってみたいから。

・生まれつき感情がなかった、それで偽りの感情を覚えてしまった、
……だから、本物を手に入れたかった。でも、それは負の感情ばかりだった。判る事実は、今のところこれだけだろうか。
きっと色々、あいつなりにも苦労、してたんだろうな。
・リュミエールへ訪れた経緯は不明。

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