忍者ブログ
図書館、資料館に書き溜めてきた日記やSS(小説)を保管するところ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

8/4

マジカルサマーカーニバル…リリアンドルへアイズと旅行する為の節約を始めてから三日目。
今日の昼飯はベヒモスを買いに行ったワケだが。
いつもは烏龍茶LサイズのところをSサイズ、ベヒモスバーガーも一個しか買わなかったかつポテトも買わなかった。顔見知りの店員にそれはもう驚かれた。「お前どうしたの?」って凄く心配された。勿論、「節約中」と答えておいたぜ。
花火大会自体はいつやるんだったか忘れちまってたから、昼休み中に掲示板の確認しようと思って広場へ。
そしたら声をかけられた。ごわごわさんの事を聞かれて……どうやらごわごわさんとは知り合いっぽい。彼から手紙を預かった。
宛名が「ギトルーザパパ」 ……パパ。どうにも気になるが、結局詳しく聞き出せなかった。確かにごわごわさんには娘さんがいるっつうのは知ってるけどよ。
これからごわごわさんって呼んでくれるって! んで、趣味も教えておいた。ごわごわさんは花の世話が好き。
からかうのが面白いのは全力で同意。色々共通点が多い気がした。
ごわごわさんへの手紙の内容も簡単な料理レシピらしい。料理壊滅的だなんて知らなかった……。
レシピ通りすっごく大事。料理が得意になれるようがんばろーぜ。オムライス!

……視線だけで妊娠とか恐い。どうしようマジでこわい。

そんなヤツがマジでいるのか……。

ノルンとも会った。
ミツキの事を探しているらしい。用は、何だろう、な? こないだに関して?
あいつが行きそうな場所……というか、オレが良くあいつと会っている場所、淡桜と商店街を挙げておいた。あと、ミツキが商人だっていう事も。だから商店街でも良く会うのかな、なんて思ってる。
確かにこの制服は暑い。長袖、長ズボン、詰襟、丈長い上にみんな真っ黒。見るだけで暑いって思う気持ちもわかるぜ。オレも暑い。
けど、オレの中身までもが暑苦しいなんて事は……なァ? 子供に通報されそうな見た目か……泣かれてたころがなつかしい。
ノルンはジャスミンティー推し。また飲んでみよっかな。

ふと空を見てみれば。久々にあの蜂が飛んでた、な。
さて……あいつは今、どうしてんだか。

ラクリモーサについての会議で見かけた姿。職質ではないんだぜ。
あの日から二か月の間に二回も入院したらしい。流石に驚いた。
擁護、というか、死刑には反対だ。 …そう、堂々としていりゃ、良い。何を毎回ウダウダしてんだオレは。
止まらず躊躇わず、想いを言って貫けば良い。言わなきゃ、伝わる事もないんだから。
まだ、結果は告げられていないけれど。
…………己を恨む事のないように、か。

だからサボりでも職質でもないんだってば! ベヒモスの事聞かれたから、しっかりオススメしておいたぜ。
アズは制服肌に合わないらしくて、30分熱弁したら快く承諾してくれたっぽい。なら、オレも入団当初とか抗議しまくったら制服免除されたのかな、とかつい余計な事考えじまった。今はこの格好が好きだし、良いんだけどよ。着てる人が確かに多いけど、制服が着用必須な機会ってあったけな? 重要な会議とかに何か必要そうなイメージはある。
……自警団内の分裂。 そら、対立はあるけれど。
団員同士の喧嘩、ならば、思い当たるのは、詰め所の放火事件。だが、あれは解決している。となると、別件だろう。
帰ってから少し報告を確認してみた。市民同士の喧嘩、或いは団員同士の喧嘩。住宅街などの人のいる場所でも起こっているらしい。
ローブの女が言っていたという言葉、「友情を壊す」――何か、無性に腹が立つ。

あ、やばい、うっかりクマ獣人さんの名前聞くの忘れてた。
どうしよう。でも知り合いなら、手紙渡せばわかる、か? 後は特徴とかも告げておけば。



-----

○魔法王国、リリアンドル。マジカル・サマーカーニバル。13日~20日まで。
 15日はダンスパーティ。
 男性は青いリボンが貰える。
 係員に二人で声をかけに行けば、お揃いのブローチが貰える。
 送迎馬車あり。一日二回。
 ドラゴン便で来れば、梟柄のひんやりバンダナ→金銭的に難しい?
 最終日20日は花火大会!!


【(パケット)、ノルン、(イェンス)、蜂、アズライト】

PR
8/1

凄い楽しい一日だった。
久しぶりにゆっくりも出来たし、遊べたし、何よりも二人だけでの遠出は初めて。近郊には行ったけれど。
空も海も広くて大きくて、真っ青。雲が一切ない。真っ白な砂浜の島。珊瑚礁。
なんて、良い場所なのだろう。天気も最高。これでオレも晴男だ!って言ったらまだまだって。雨男は卒業しても晴男までは行かないだと…… 確かに快晴だった誕生日会も温泉宿もアイズが誘ってくれたけど! だけど! それがアイズの御陰だとは認めない認めない認めないぞ…!!
そんなこんなで、テンションもすっかり吹っ切れていたオレら。
着くなり、いっぱい遊ぶぞって事で、まずは海に飛び込む。
久々にゴーグル付けた気がするぜ。泳ぐときに使えるって手があったか。そしてアイズは、伝説の海の魔術師エア・ゴーグルの秘術を使ってるからゴーグルはいらないっぽい。魔法パネェ。しかしこの魔術師の名前が気になってしゃーない。
グレンはどうしてんだろうか。そういや一番最初にリラッギルを思いついたのはあいつだったなァ。とりあえずグレン帰ってきたらステーキ奢ってもらおう。アイズと一緒にたらふく食ってやるぜ。

海の中は凄く綺麗。青く透き通っていて、鮮やかな色の魚や珊瑚がたくさん。水中へ差し込む日差しも温かくて、浮かぶ水泡も綺麗。
しかし水中で喋るモンじゃないな。あっという間に酸素が消える。気を付けないと。
魚が思ったよりも人懐っこい。ダイビング客もあの辺りは多いんだろうな。一緒に泳いでくれたり角や耳の方にも…………耳はやめてほしいけど…! 指つっついてたり。
オレンジと白の縞々なあのちっちゃな魚はなんていうんだろ…! すんげーかわいかった!
本当、珊瑚もあんなにたくさん、綺麗に。ヒトデが食ってたりしてたけど、そういう世界だよな、…うん。

息が永遠と続くわけではない。もっと見ていたかったけど、海面まで二人で上がって。泳いで島の周りを一周してみる事に。
途中でリーアに乗ってみたい、とちょっと我が儘を。快く承諾してくれた。
純白の翼。白。 ああ、昔は、あんな翼が羨ましくて。黒いオレの翼が憎くて。だから、フランに頼んで切り落としてもらったんだ。でも、今は、黒竜である事を誇れる。翼はないけど、それは今、槍となってペンダントとなって。
風を切って、空を飛ぶ。何だかとても、懐かしい気持ちだった。そう、もうオレ一人じゃ空は飛べないんだ。 やっぱり、後悔しちゃうな。翼がないの。

アイズの故郷は海のないところ、北の方。この街よりも多く雪が降る地域。まだ、オレにも知らない事はあった。
故郷に帰りたくても、帰れない、 向こうでは悪魔。……悪魔なんて。
こんな、優しくて、傍に居てくれて、助けてくれて、救ってもくれて、悪魔の力にも屈しなくて、強くて、……一緒に笑い合える人。アイズが、悪魔だと未だに呼ばれているかと思うと。 とても、痛くて悲しかった。
もう、そういう人達が憎いなんて言わないよ。けれど、悲しいよ。こんなの。
…………アイズの幼馴染が、あの呪いを? アイズ自身、顔も名前も思い出せないという相手。幼馴染って事は、親しい人だったんだろう。何で、そんな事をした、んだろう。悪魔に踊らされた、だけ? それとも、 ……いや、 それ以外の可能性を考えるのは、今は辞めよう。想像だけであれこれ模索するより………………話を、しよう。その日が、来たら。
どうであれ、そいつの事をアイズが思い出せれば、そいつと会えれば。もしかしたら、呪いについての証明……悪魔の力を得たくて契約したんじゃない、という、アイズの本心を、故郷の人に証明してくれるかもしれない、って。それが叶ったら、あいつも堂々と故郷に帰れるんだ。
アイズの両親はどんな人だろう。同じ白銀? 藍色? 会えるの、楽しみだ。
会ったら、乗り越えたとか助けられたとか今までの事を、それぞれ自慢してやろう、って。そんな話も。
紹介してくれる日だって、楽しみにしてるよ。
一緒に、二人で故郷行こう。いつか。呪いだって祓ってもらってさ。ラクリモーサが言ってた、悪魔を祓えるほどの聖の力が集まるまで、もう少し。

大丈夫。絶対、叶うよ。

この一生、ずっとずっとずっとずっと、お前の傍に居る。
もう、命は投げ出さない。死にたくないから。
死んでも守る、じゃない。生きて守るんだ。
投げ出さなくても、守れる術を。
だが、オレらは相棒。…守る守られる関係じゃない。共に支え合って、歩んで、傍に居る、関係。
もう、親友なんて枠も超えちまってるけどな?

気が付けば、夕方。日が落ちてきて。
赤い夕陽と空。水平線と一緒にどこまでも広がっていってる。暑かった日差しも、ちょうど良いくらいに。
イルカウォッチングしてみたい、とも思ってたけど、船を借りる必要もなく、海岸からも見えた。初めて見た桜色の、イルカ。
鳴き声が歌声みたいで綺麗だった。
……あの声を聞くと、願い事が叶うという言い伝えがあるんだって、後から知った。オレもアイズもそのイルカの声を聞いた。…ほら、大丈夫だ。
何かが海から流れてきたと思ったらマモルだった。だ、大丈夫なのか、あいつは……。顔が真っ青なのはデフォっぽいけどよ。
桜花の方まで里帰りしてたらしい。そして島で海水浴もやってたようだ。親父に殴られた事ある仲間だな。お土産に期待…!
マモルは着物も持参してた。やっぱ、そこは桜花民なんだなァ。オレらも浴衣は着たんだぜ…! 暗くなる時にはもう別れたけどよ。

アイズと二人っきりに、戻る。
かき氷、アイズはメロン味で、オレはめっちゃ酸っぱいレモン味……するにも、シロップを濃くすればするほど甘くなっちまう罠。なので変更、プレーン。ちゃんとシロップ分の値段引いてくれた店員さん…! んでんで、隣の出店でエール酒買って、どばーっとかけた。零れたけど気にしない。
マジでキーンと来る。だが、それが美味いんだな、かき氷。
次、時間のある時に渡そうと思ってたノルンからのリボン。アイズは藍色、オレは黒色。そのリボンでお揃いポニーテールにしてやったぜ! オレの方にもリボン結んでくれた!
――胸元まで伸びた、さらさらの白銀の髪。
あぁ、どうしても重なってしまうな。確かに、最初はあの子に似ていると感じたんだ。髪が伸びて、もっと似てきた。
未練はない、あの子に似ているとか関係なく、今は純粋にアイズが好きだ。だけど、懐かしくなるな、どうしても。
ただ、静かに撫でてくれる。そんな優しさが、沁みる。

黒髪。
銀へ染める前の色。
リリアンドルの祭り、花火大会の日に一日だけ見せる約束。一日だけ染める。そういう仮装用アイテム、みたいなのあったよな、多分。
浴衣も着て。オレは藍色で、アイズは緑色。お互いの目の色で用意しよう。
初めて行く街。他の街や国に行く事自体、滅多にない。それこそガキの頃に、家族旅行とかあってどっか行ったかもしれねェが、覚えてないや。……デリシャスマウンテンと今年の春先の桜花ぐらいしか、遠出した記憶がないな。
泊りがけの予定。なら尚更、節約をしないとだ。食費、抑えよう、うん。ベヒモス食い過ぎないように…!!
楽しみが、多すぎるよ。本当。

スパイスを常に持参しているのがオレだ。いやまァ、かき氷にはかけねェよ? 胡椒以外の香辛料を食べ物と認めないって……全く甘党だよなァ。レッドペッパーは純然たる胡椒じゃねェんだって。純然たる胡椒も何も、確かにレッド「ペッパー」なんだって!! ほら胡椒の名前入ってんじゃん!
しまいには額くっつけて間近での言い合い。
しょうもない喧嘩。だけど、そんな時間だって楽しくて大切で。……以前は良く、こういう事ばっかやってたよな。
何やってんだろ、って、思わず、最後に二人で笑い合った。
メロン味とエール味の、お互いのかき氷を一口交換。あーん、は定番だと思うんだよなっ。

島の中心にある、でっかい白い珊瑚のところに着く頃には、もう真っ暗な夜。
だけども、明るい星が沢山。
流星群。 …そうだ、名所、なんだよな。星降り島。
いっぱいいっぱい降ってきて。手を伸ばせば、届いてしまいそうな。当然、星を手に取る事は出来ないけれど。
沢山の流れ星。
アイズは何を願ったんだろう? そういや、七夕でもあいつの短冊は見なかったけど……
オレの願い事。七夕の時と変わらない。けれど、あの時よりもやりたい事たくさん増えた。だから。
「やりたい事、全部出来ますように。」
……ここまで、こんなに願ったんだ。もう心配ない。ぜってー叶う。

時間が経つにつれて移り変わる鮮やかな空、真っ青な空も真っ赤な空も。澄んだ海、色とりどりの珊瑚と魚、不思議な色のイルカと歌声、純白を持つリーアにも乗った。そして、満天の星空と流星群。綺麗なものをたくさん見た一日。
行った甲斐が、奮発した甲斐があったな。
来て良かった。

かき氷食べたからか、潮風が涼しいからか。寒い、夜。
静かな二人だけの時間。このままずっと居たくなる。……帰りたくない。アイズも、同じ意見だった。
じゃあ、せめて夜明けまで此処に居よう。
寒いなら、温かくすれば良い。
その体温が、とても心地が良くて。

温かいどころか、熱い。



まだ、今も残ってる。


忘れられない、夏の日が、またひとつ。



【アイザック、桜色のイルカ、護】

7/28

ポイ捨て厳禁だとあれほど。けど、海水浴場でも呼びかけられてるからか去年よりは減ってきてるかな。
制服着たまんまはマジ暑い。良くもまァ毎年この格好でやれてこれたモンだ。
っつー事で、水着になろうとはしたが……大勢の人の前。友人達の花見の時やアイズのデートの時とはわけが違う。
でも、いつまでも躊躇っているワケにもいかない。このままじゃまともに海水浴も出来ねェ。

だから思い切って制服を脱ぎ捨てたんだ。
傷跡見た子供に泣かれた。
悲しかった。
これだけの傷跡作ったのはオレ自身。自業自得だろうけど。

そんでジルが背後から。びっくり。
ジルにも初めて傷跡を見せた。裏通りに昔居たってのは、あいつに話したけど、その痕跡……これを見せるのは。
他にもそういう傷跡が多い人達をかつて住んでいた場所柄、ジルは多く見てきたらしい。だから怖くなんてないと。
ただ、本当に悪い事して出来た傷だって、あるから。そこを突かれるのはちょっと痛かった。
しかし意外と、周りも気にしてなさそうで。良かった。
ライデンに泳ぎ教えて貰う約束はまだのようだ。自警ってのは忙しい事も多い。なかなかデートが出来なかったり、仕方ないところもある、よな。
考えてみれば部屋は違うがオレらも一緒に住んでいるようなものだよな! まァ……今は不在も多いけどさ。
ジルは水に顔を付けられないらしい。そこからあいつに教えて貰うのは恥ずかしい、って。気持ちは解るわな。
つっても、簡単だ。水が怖くならなければ大丈夫だ! まずは水に慣れる事から始めるんだぜ! 水が怖くなきゃ潜る事は容易なはず。と、オレは思うんだ。
早く泳げるようになると良いな。


………………よし。今年はリラッギルどこの海の家にも売ってねェぞ……!!!


【ジル】

7/25

今日はちょっと遅くなった昼休み。ベヒモスで夏メニューのバーガー食って、そろそろ戻ろうかと思ったけど、まだシェイク残ってたからそれ飲みながら、商店街まで差し掛かって。
ラゼットと、ミツキ。喧嘩、それとは違う。何故か小さな女の子を連れているラゼット。が去ろうとしていて、それをミツキが必死に呼び止めようとしているようにも見えて。そして二人をすれ違いざまに見てたノルンと。
最初、何が何だかわからなかった。あんなに仲が良かった二人の雰囲気が、全く違ったもので。
「殺す」と、セシリアを、目の前にいるミツキすらも殺せるって。何で、そんな事。
ふと、別のところから殺気も感じて。誰、だったんだろう。人混みの中じゃ判らなかった。
ラゼットはミツキを前にして剣の柄に手をかけて。あそこでオレは全く動けなかったんだ。抜くな、としか、言えなかった。真昼間の商店街で、しかも友人を相手に、抜く、なんて事はないだろう、と信じてても、あの殺気は確かに。
咄嗟に動いてくれたのはノルンだった。あの一発は、あいつを止めるのに正解、だったが、打ち込んだ本人が結構痛そうだったな…。しかし、……自分が情けない。

盗賊から足洗って、冒険者になったっていうのに、また逆戻り? 盗難は、事実、だった? 目の前に連れているあの猫の女の子が、愛玩用動物、商品として売買されていて、それを、盗んだ。
ヒトを売る方と、それを買わずに奪って結果的にヒトを助けた事になっても盗難届出されている方と。どちらが悪いか、罪になるか、なんて、そんなの、
  いや、まずは……ラゼットは何を思って、その子を浚ったのか。未だ、真意はあいつの口から聞けていない。

ユベルティを捜している? 見つけてどうするか? 物騒な事、だって。
ラゼットが浚って、連れている女の子に関する事、でもある、らしい? ミツキがユベルティの居場所に心当たりがあって。
裏の事、裏での取引。広い、世界だ。一斉検挙なんて、不可能に近い。浅いところで上手く分けて、表向きの顔もある……厄介だ。
その顔で、盗難届も出したのだろう。夕方に詰め所で確認、アリョール商会。記憶には、留めておく。

ラゼットとセシリアの、「殺す」という話。ミツキはたまたまそういう現場に、居合わせていたらしい。けれども、詳しい事はわからない、って。
理由のない殺意? 理由のない憎悪? 何だよそれ。わかんねェよ、んなモン。理由のある殺意しか、理由のある憎悪しか、オレは抱いた事がない。教えてくれって言われても、オレにはわからないよ。本能的に殺したい、というのも感じた事がない。
対話は、大事だ。これを、しなきゃ、何も。憎悪に駆られて殺すのは、元より。理由がわからぬままに、殺せば、それこそ。そもそも、誰かを殺す、なんて事自体。

どれも、皆、情報も足りないし、わからない事だらけだし、下手に動けるものではない。そもそも、ラゼットがオレらを関わらせたくない、っつう。
仕事を放棄するつもりは、ない、けど、やっぱり、事を大きくしたり荒立てたくは、ないな。 友人、だからか? 余計に。
カレー、食べたかったけど、今は無理そうだ。八月中旬くらいには出来る、かもしれない? でも、生きてたらって
セシリアにもラゼットにも、死んでほしく、ねぇよ。殺し合いなんてそんな事。それにセシリアは、ヴァイスの大親友で、ヴァイスが最初出たがっていた理由は彼女の為。捜査でも世話になったし、先日、結婚式も挙げたばかりでヴァイスもそれを見に行ってきてて 
二人に一体、何が。ラゼットがわからねェなら、セシリアに聞けば、わかる……?

気が付けば、とっくに時間は過ぎていた。詰め所へ戻ってくれば、当然怒られたわけだが。そんなのはどうでも良…くないだろうが、それよりも。
沢山沢山、気になるし、不安、だけど、自警として動けないのが現状。ラゼットとセシリアの事は …………、、  
……今は、普通に、仕事やってる、か。確か、海水浴場の巡回とかゴミの点検とか、頼まれてたっけ。


【ラゼット、ミツキ、ノルン、白銀の気配】

7/21

裏庭の雑草伸びてる、って事で草むしりの任務。基本的に地味ィーなのが掃除担当なんだよなァ…。まァ、これに専念出来るって事は平和な証でもあるけどよ。事件続くとホントこれやってるどころじゃねェからな。
終わって中へ戻ってくれば、受付の方に人。最初は市民かな、って思ったけど違った。
今度入団する予定の新入団員。名前はアズライトつってた。やった! 仲間が増える!
入ってる年数を考えると確かにオレが先輩でもあるけど、こう、先輩と呼ばせるにはちょっと……アズの方が結構年上っぽいしな…!
アズから借りたハンカチは洗って返す。ちゃんと出来るぜ問題ない。

試験、面談。……オレの時はどうだったけ? いやマジで。んなモン全部すっ飛ばしてたかもしれない。やったかもしれねェけど。あれ?
親父の友人が自警で、そいつに勝手にオレ押し付けて…… えーと。もう3年も経つモンな。記憶が薄らいでる。思い出したくもないのかもしれない。
とりあえず、まだまだロクデナシだった頃。それは確かだ。

アズに第六捜査隊の紹介。猛虎隊でも療花隊でもどこでも、というか、部隊そのもの自体入るか否かは自由。
言い忘れちまってたけど、オレらんとこ入る時はごわごわさんに話をしとかなきゃだな。
そもそも、アズの考えはどうなんだろう。それにも寄るんだな、捜査隊と合うかどうかは。まァ、入るも入らぬも自由だ。焦らず色々見てくれれば良いと思うんだよな! オレが部隊というのに入ったのだって、最近の事だしよ。

面白い、か。
でも本当、気付かされる事はあるんだ。
対話の道、守る者は市民だけじゃない、仲間も。今の仕事への考えに至るまで、色んな奴から知って学んだ。仲間から知人や友人から、犯罪者からも。まだまだ足りねェとこはあるだろう。けど。

確かに、話を聞いてくれるのは少ない。でも、聞いてくれるのだって居た。話をしないよりは。して、変わった事だってあるから。
どんなに痛くたって。たとえ絶望する事の方が多くたって。
この仕事は、辞めたくない。


【アズライト】

1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11 
忍者ブログ [PR]